前回の記事で書いた、Windows10からWindows11へアップグレードした職場のパソコンですが、一部のファイルが印刷できないとのことで、出勤した際に確認したところ、パソコンに保存されているファイルは印刷できましたが、ダウンロードしたファイルが印刷できない状態でした。
ダウンロードしたファイルだけが印刷できないということは、パソコンとプリンターの接続には問題がないということ。さて、何が原因だったのか…。
ダウンロードしたファイルを開いたらHP Sure Click Secure Viewで開いていた
印刷できないと言われたWordファイルを開くと、いつもどおりのWordの画面…のようでしたが、タイトルバーを見ると、ファイル名の後にHP Sure Click Secure Viewと出ています。

Viewというからには表示に関するもの?なのか。
それに画面をよく見ると、右側に青い丸に狼のアイコンが表示されています。

このアイコン、どこかで見たような…。調べてみると、HP Wolf Securityというソフトのアイコンでした。
HP Wolf Securityとは、HPが提供するエンドポイントセキュリティソリューションです。マルウェア、ランサムウェア、フィッシング攻撃など、サイバー脅威からPCやプリンターを保護します。マイクロ仮想マシンによる脅威の封じ込めや、AIを活用した次世代のウイルス対策機能などが特徴です。
HP WOLF SECURITY - ビジネスソリューション | 日本HP法人向けパソコンおよびプリンターの新しいエンドポイントセキュリティソリューション、HP Wolf Securityについて紹介します。
とありました。なるほど、インターネットからダウンロードしたファイルを通常の開き方ではなく、HP Sure Click Secure Viewという開き方で保護しながら開くようになったのか…。
ただ、保護しながら開いているとはいえ、印刷できないというのはなぜなんだろう…。保護を解除すれば印刷できるようになるのか…。
HP Wolf Security の脅威の封じ込め機能で保護されていたファイルの保護を解除する
試しに、インターネットから印刷できなかったファイルがPCの「ダウンロード」にダウンロードされていたのでアイコンを確認、Wordのアイコンではあるけれどアイコンの左下に青い狼のアイコンが出ています。
アイコンを右クリックすると、「保護の解除」があったのでクリック。アイコンをダブルクリックして開いてみるとタイトルバーにあったHP Sure Click Secure Viewという表示は消えていました。
そのまま「ファイル」をクリック、「印刷」をクリックすると「準備中」とは表示されず、印刷できました。
Windows10のときはこのHP Sure Click Secure Viewが無効になっていたのか、「驚異の封じ込め」機能が無効になっていたのか、Windows11へアップグレードしたことによって有効になったのか分かりませんが、とりあえず、このHP Sure Click Secure Viewが有効になっていると、インターネットからダウンロードしたWordファイルを開くとHP Sure Click Secure Viewで開くこと、印刷しようとすると「準備中」と表示され印刷できないことがある、ということが分かりました。
スタッフには、インターネットからダウンロードしたWordファイル(ExcelファイルやPDFファイルも)印刷できないときは
- タイトルバーにHP Sure Click Secure Viewと表示されているかを確認すること
- HP Sure Click Secure Viewと表示されていれば、保護の解除が必要になること
- 保護の解除はダウンロードしたアイコンを右クリックして「保護の解除」、またはタイトルバーに出ているHP Sure Click Secure Viewあたりを右クリックして「保護の解除」をクリックしてから開くこと
と伝えました。
パソコンによってはメーカー独自のセキュリティ機能が搭載されていることがありますが、こういう事例はあまり対応したことがなかったのでよい勉強になりました。
この「驚異の封じ込め」機能自体を無効にすることもできるそうですが何かあってもいけないので、出所が分かっているファイルのみ、保護の解除ができるようにしておくほうが安心です。