これからの高齢者はスマホやタブレットが使えたらOK?

わたしがパソコン講習会で講師をするようになってからウン十年。その間に世の中は変わりました。パソコンは家庭に1台あるような時代ですし、家庭内LANも普及しています。これにくわえてスマホやタブレットも登場したわけですから、わたしたちを取り巻くIT技術の進歩には目を見張るものがあります。

そんな中でよく聞かれるのが「これからはスマホやタブレットが使えたらOKでしょ?」というもの。OKかといえばOKですし、そうじゃないといえばそうじゃないですし…と曖昧な回答になってしまいますが、この曖昧な回答にならざるを得ないというのが正直な気持ちです。

なぜ、曖昧な回答になってしまうのかというと、それはその人自身がどんなことがしたいのかというところに大きく左右されるからです。

スマホやタブレットは確かに手軽です。メールやブラウザは標準搭載。誰かとメールしたり、ネット検索をするだけならスマホやタブレットで十分可能です。

アプリを入手すればオフィス系のソフトも使うことができますから、ちょっとした文章を作るくらいなら十分に対応可能です。

この程度、というと怒られてしまいそうですが、スマホやタブレットで十分かもしれない。

だけど、パソコンでできることのほうがやっぱり多いのも事実です。例えば、名簿を作ったり、複雑な文書を作ったりするにはパソコンのほうが覚えることや慣れることが多いけれど、パソコンのほうが…と考えてもしまいます。

そうはいっても、今後、アプリも進化していくだろうし、スマホやタブレット自体もどんどん進化していくだろうし。

わたしのように仕事に使うソフトがパソコンにしかない場合を除けば、スマホやタブレットに移行することも視野にいれたほうがよいかもしれません。

パソコンのほうも進化していますよね。いろいろとできることがあっても複雑だった手順がUIの進歩で手間をかけずにできるようになってきています。

だから、どちらか、という選択肢、悩みどころだなと感じるわけです。

ただ一つ言えるのは、昔は習うものだったパソコンは、習わなくてもある程度のことはできるものになったということも事実、だということ。

実はわたしの担当するパソコン教室の生徒さんの中には、ある程度操作ができる人も通われています。通い始めた当初は「こんなことは知っている」「これくらいならできる」そう思われている人もいらっしゃいます。

ところが、その方たちの多くは我流で操作ができるようになった人たちです。つまり、基本的な知識や操作を知らずに使用されていた人たちです。

わたしの講習を受けるにしたがって大きな驚きを持たれます。「そんな操作は知らなかった」「それが分かっていたらあんなに苦労しなかった」と感想を伝えてくださる方が多くいらっしゃいます。

長い人でもう8年通ってくださっている方がいらっしゃいます。今では習うのが楽しくて仕方ないとおっしゃいます。理由を聞いてみると「新しい使い方を知ることができるし、手順として覚えていたことに納得することができたらほかの操作に応用できるようになったのが楽しくて仕方ない」とのことでした。

そうなんですよね、パソコンの操作方法には「これしかない」というものは少ないです。wordで表を作るというものだけをとってもいくつかの方法があるのです。

いくつかの方法から自分が取り組みやすい方法を、自身で選ぶことができるのです。

パソコン講習会のあるあるなのですが、講師が自分が知っている操作方法をすべて一気に話してしまうことがあります。でも、わたしはそうはしません。

手間がかかっても順を追って、理屈を伝えて、という操作方法からお話しさせていただきます。それに慣れてもらったら、少し手間のかからない方法をお伝えします。すると、受け手である受講者の反応は二分します。「楽だ!」と感じる人と「難しい」と感じる人。

どっちがよかったですか?と必ず問いかけます。すると、受講者はそれぞれの感覚でどちらかを選択することができます。選択したのだから記憶に残りやすくなるのです。

そうやって、積み木をひとつひとつ積み上げるように同じ目的の操作をいくつもご紹介していくと、受講者の変化が見えてきます。

きっともっと楽な、もっと難しい手順があるはず…と。

そう考えられるようになれば、「それしかない」や「覚えなくてはならない」という変なプレッシャーから解放してあげることができるのではないか。この方法は自分には合わないけれど、ほかの方法なら合うかもしれないと思ってもらえるのではないかと。

パソコン操作に限って言えば、パソコン操作は覚えてやるものではなくて、知って選んで慣れるものだとわたしは思います。

だからこそ、スマホやタブレットについてもまずは知ってもらうことが大事だなと思うのです。わたしが「スマホのほうがいいですよ」「タブレットに変えませんか?」と押し付けたり、誘導したりするのではなくて、こんなのもあるよと知ってもらう、それがわたしがパソコン教室の講師として受講者にできる唯一のことだと思っています。

なので、さきほどの質問「スマホやタブレットが使えたら『OK』?」という問いには曖昧な回答しかできない、というわけです。

高齢者に限らずですが、人は選択することができます。選択できるというのはとてもありがたいことなのではないかと思うのです。

ぜひ、自身で選んでほしい、そう思います。その後の楽しみ方がぐんと変わるとわたしは思います。

記事下
高齢者対象のパソコン教室の先生

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