高齢者だけのパソコン教室でパソコンに対する不安について聞いてみた

わたしが担当する高齢者パソコン教室の生徒さんの年齢層は60代前半から80歳の人です。長い人で6年ほど通っていただいているのですが、改めてパソコン教室に通おうと思った動機やその時の気持ちなどについて聞いてみることにしました。

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高齢者に聞いた。なぜパソコンを習おうと教室に通うと決めたのか

まずはなぜパソコンをやってみようと思ったのかについて聞いてみました。

子育てが終わり、自分のために何かをやってみたいと考えた時に、今までの暮らしの中で縁がなかったパソコンなら全く知らないことだからいいのではないかと思った。

定年退職をした職場でいつもパソコン操作を部下にしてもらっていたが、いつか自分でもパソコンを扱えるようになりたいと思った。

新しいことを始めるのが認知症の予防になると聞いた。

という意見がほとんどでした。

少数でしたが、年賀状作成を子ども(もしくは孫)に頼んでいたのを自分でやってみたいと思ったという意見もありました。

パソコン教室に通うことに対して不安はなかったのか

パソコン教室に通うと決める前、もしくは決めた後不安を感じることはなかったかを聞いてみました。

不安その1 パソコン操作を「覚える」ことができるか

パソコン操作には聞き慣れない用語がたくさん登場します。また、操作自体も教える人によって様々です。

教えてもらうということは「覚える」と直結しているという意見が多くありました。

パソコン操作を覚えるというのはどんな状況か聞くと、マニュアルやテキストを見ず、また誰かに聞くことなく操作を完結できることという認識が多かったです。

人に何かを尋ねるというのはなかなか難しいとある人が言いました。それは「人に何かを訪ねるというのは『そんなことも知らないのか』『教えたのにまだ覚えていないのか』と思われるかもしれないから苦痛だ」と。

確かに人に何かを尋ねる、教えてもらうということに対してネガティブな感情を持つことはありますね。恥ずかしさみたいなものがありますね。

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不安その2 パソコン教室の授業の流れに付いていけるか

一斉に学ぶ場に身を置くと、授業の流れに付いていけるか・教室の仲間の習熟度に付いていけるかという感情を持つことは多くあります。

ましてや同世代であればなおのこと、自分より周りのほうができるようになっているように感じることは十分に理解できる心理です。

パソコン操作習得の早道は「覚える」のではなく「考える」
「パソコン操作を覚えられない」と言われることが多くありますが、覚えるのではなく慣れてほしいとわたしは思います。そして、考える力を持ってほしいとも思っています。記憶するより考え慣れることがパソコン操作に限らず、大切なことだと思います。

不安その3 使い慣れないパソコンが壊れてしまったら

今まで触れたことがなかった「パソコン」という機器。自分が操作することで壊れてしまったらと不安を感じる人が多いです。

その不安からか、パソコンのボタンやキーボードをひとつ押すにも画面の中の何かをクリックするだけでも「壊れてしまうんじゃないか」という心理が働き、動作がどうしても遅れがちになります。

ノートパソコンを持ち運ぶときに気を付けてほしいこと
ノートパソコンの持ち運びについて気を付けてほしいことを書きました。ノートパソコンをカバンにぽいっと入れて運んでいませんか?

不安その4 インターネットが怖い

インターネットに関する不安を口にする人が多いのも特徴です。

テレビのニュースや新聞で取り上げられるインターネットが絡んだ事件の報道を目にしたり耳にするせいだと思います。が、ここに少しだけ特徴があるんですよね。

オレオレ詐欺というのがありますが、この話を聞いて「怖いから」と注意する人と「自分は大丈夫だ」と言う人に分かれます。インターネットも同じで、怖いと感じる人は思いきり怖がるし、「自分は大丈夫」と感じる人は思いきり大丈夫だと思う。

このあたりは、両極端な反応が見られました。

パソコン教室で聞いたパソコン操作に対する不安についての考察

まずはパソコン操作をやってみようと思った動機について。

普段の暮らしに直結しないけれど新しいことにチャレンジしてみたいと思う人が、教室に通われていることが分かりました。

よく生徒さんが口にするのが『今さらパソコン操作を覚えて何かをしたいわけじゃない』、これが本音だろうと思います。が、いまの社会でインターネットくらい操作できたほうがいいんじゃないかと感じている人が多くいるのも事実。とはいえ、今ではインターネットに接続できる機器はパソコン以外にもたくさんあります。そこであえてパソコン操作を習いたいと思う動機には、新しいことを学ぶことで刺激のようなものを得たいというのがあるような気がします。

今まで仕事なり家事なり、何かに時間を割いていたけれどそれに割く時間が少なくなった。時間が余るような感覚。そうなったとき、何かを始めたいと思う気持ちになる。

どうせやるなら新しい、普段の暮らしの中にはなかったものをやってみたいと思ったときに「パソコン教室」という選択肢があった。

何人かの人は、パソコン教室に通いたい、でも不安と思いながら数年経過したと言っていました。ずいぶん迷ったんですねと聞くと、上に挙げるような不安を口にされました。一番大きかったのは「パソコン操作を覚えることができるか」ということでした。どうせ習うなら覚えたい、これは自然な感情ですよね。多少なり費用がかかるわけですから、元を取りたい、じゃないですが、身になるものにしたいと思うのは当然だと思います。

それからパソコン操作に関していえば、家庭内で誰かしら、または友人など自身の周りでパソコン操作をしている人がいます。その人に聞きながらパソコン操作を覚えるという選択肢もあったと思うのですが、パソコン教室に通うことを決めた理由には、対価を支払って教えてもらうほうが気が楽だという人がいました。なるほどそういう感情も分からなくはないと思いました。

パソコン操作を身内や友人に尋ねると、面倒がられたり覚えていないことを責められたりするから…という話もよく耳にします。教室に通えば、先生にとってそれは仕事だから…と思うことができるという人もいました。確かにな…と苦笑いしたのは言うまでもないかな。

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パソコンが壊れてしまったら、インターネットが怖いという点については、教室に通うことで不安は解消されたかと聞いてみると、不安に思わないことはないが軽減したという意見でした。

以前、別のパソコン教室に通われていた人が「その先生は楽しいことばっかりを教えてくれたが、危険については初めて聞いた」と言われました。危険について聞いた結果、どう思ったかを聞くと「気を付ければいいことが分かったから前より不安は消えて楽しめるようになった」と話してくれました。

何にでもメリットだけ、デメリットだけということはありませんよね。危険は危険だし、楽しいは楽しいし。でもどちらも知って、知った上で使うか使わないかを「決める」のは受講している皆さんであってほしい。

そして一番お伝えしたいこと。それは「自分以外の人の『便利』や『楽』に振り回されるのではなく、自分で知って自分で選択してほしい」ということ。

選択する権利は皆さんにある。わたしは受講する皆さんの『知りたい』に答えているだけに過ぎないのです。

ただ、闇雲に手を出すのではなく、基本的な知識やメリット・デメリットを踏まえたうえで「選択」する。そういう皆さんでいてほしいということをいつもお伝えしています。

そして、そういう感情を表に出すことができる空間を作ることが、わたしのパソコン教室の方針でもあります。分からないことを分からないといえる、知らないことを知らないといえる。そんな関係性を作り上げるのがわたしの志事だと思っています。

何かを始めるのに年齢は関係ない。大人になってからの学びについて考える。
生徒さんが言う「パソコン習うのに年齢は関係ない?」に答えながら、大人になってからの学びについて考えてみました。
パソコン教室の先生
パソコン教室の先生

市内の60歳以上の方を対象としたパソコン教室でインストラクターをしています。授業の中でお話している内容やパソコン相談会でお受けするご相談などについて書いています。

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