高齢者はITに弱いというのは本当だろうか

高齢者はIT音痴だと思っている人、結構多いのではないかと思います。現に、わたしの運営するパソコン教室の生徒さんの多くはITという言葉に苦手意識を持っています。

とはいえ、いまの時代、パソコンだけに限らずスマホやタブレット、ゲーム機器や家電までもがインターネットに接続している時代です。

生徒さんのほとんどが自宅でインターネットにパソコンを接続している状態です。さらにスマホ所有率も3年ほど前に比べれば圧倒的に増えています。

さすがにSNSの利用者は1割にも満たないですが、インターネットを使ってホームページ検索をしたり、メールのやり取りをしたり、YouTubeなどの動画サイトを見て楽しんでいる人が多くいます。

そうはいってもパソコン教室に通っているわけですから、インターネットを使った授業を取り入れているので、少なからずITに対する抵抗感は少ないのかもしれません。

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高齢者対象のパソコン教室の授業。わたしなりの進め方

パソコン教室に通うと決めて教室に来られた当日の様子を見ると、表情は硬いです。相当な不安感を持って来られていることは容易に感じることができます。

が、ひとつひとつゆっくりとお話していくにつれ、初めはキーボードのキーひとつ押すにも震えたり、マウスを持つ手にぎゅっと力が入っていたりする手もどんどん柔らかい動きになっていきます。

基本的な操作をお伝えしてからインターネットの授業

インターネットの授業は検索から始めるのですが、自由に検索してみましょうというと何を検索すればいいのか分からないという顔をされています。

でも、検索した結果、今まで知らなかったことを知ることができることが分かると「〇〇って調べてもいい?」と言い、どんどん検索がうまくできるようになっていきます。

メールのやり取りも同じです。メールアドレスの入力に四苦八苦されていても、相手からメールの返信が届くととても嬉しそうです。中には、届いたかどうかメールを送った相手の机に移動して中身を確認する人までいます。

メールにお気に入りの写真を1枚添付して送ったときは、教室中が大騒ぎになりました。これも同じく相手のパソコン画面を見に行き、ちゃんと同じ写真が届いたことが驚きとなっての大騒ぎ。

ひとつひとつ、ゆっくりと何度も何度も繰り返していく

最初は一から十まで指示を出していた授業も、回数が進めば自分で考えて、記憶を辿り、結果を出すことで自身の達成感を得、「もっとこうしたい」という知的好奇心を刺激する動きが生まれてきます。

危険なことを伝えるための方法。「意見を出し合い共有する」

達成感から知的好奇心へと変化していく過程で、必ずお伝えするのが「危険」です。

初めから危険なことを話してしまうと行動が委縮しますし、逆に危険なことを話さずに楽しさだけを伝えていては受講者のためにはなりません。

楽しさを知ってもらったうえで、危険について考えてもらうためにあえて話をします。そして、どうすればその危険を避けることができるかについて話をします。

たとえば、「個人情報が洩れる」という危険についてお話をするなら、こちらから危ないと一方的に話をするのでは受講者には「他人事」のようにしか伝わりません。

まずは、個人情報とはいったい何だろうというところから受講生と一緒に考えていきます。次に、この個人情報が洩れる可能性があるのはどんな行動をしたときだろうというのを考えてもらいます。

この時点ではそれらの関心を高められるように流れを作ってあるので、たくさんの「意見」が出てきます。「買い物するときに入力する」「会員になろうとするとき」という意見もあれば、インターネットにつないでいればいつも洩れているという意見もあります。その他にも考えられる、想像できるものを教室内で共有できるよう発言を促します。

ある程度意見が出そろったところで、どうすれば個人情報を洩らすことなくインターネットを利用できるのかという点について話し合います。

こういう流れに持っていくと、何か困ったときに思い出すのではなく考えることができるようになります。実はIT機器を扱うという点では覚えることより考える。考えることに慣れることが操作を自分の力でやり遂げる力のもとになるのです。

ITとは操作技術のことだけをいうのではなく、操作した結果得た情報をどう扱うか、だと思う

ITというと操作技術と思われがちですが、情報を扱う技術のことを指すので大量に流れてくる情報から必要な情報を選択することができるか、それが情報技術なのではないかと思うのです。その情報を扱うために情報を得ることができる機器を操作すること。それらをひっくるめて情報活用技術なのかなと。

高齢者だからITが苦手と決めつけるのはもう古いのかもしれません。しっかりと学ぶ場があれば扱うことには慣れていきます。慣れることができたうえで実践することを繰り返していけばしっかりと活かしていける、わたしはそう思います。

これについては、高齢者に限定されたことではなく、すべての世代で言えることではないでしょうか。

ITが苦手と言う前に、一度学んでみてください。できれば知っていることにも目を向けてください。知っているようで知らなかったことや、知っていることが古いことになっていることに気付くかもしれません。

パソコン教室の先生
パソコン教室の先生

市内の60歳以上の方を対象としたパソコン教室でインストラクターをしています。授業の中でお話している内容やパソコン相談会でお受けするご相談などについて書いています。

高齢者のためのICT教室については本サイト「高齢者のためのICT教室」についてお読みください。お問い合わせには随時対応させていただいておりますが、時間がかかりますことをあらかじめご了承くださいませ。

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