パソコン教室の休憩時間、「先生、AIってよく聞くけどどんなもの?」「AIアプリ、たくさんあるけどおすすめは?」といったご質問をいただき、AIへの興味がシニア世代にも広がっていることを実感しました。テレビでAIが取り上げられているのを見て、使ってみたいけれど少し不安、といった声も耳にします。
AIは私たちの生活をより便利にする可能性を秘めています。この記事では、AIとは何かを分かりやすく解説し、シニア世代におすすめのAIアプリを2つご紹介します。
AIってどんなもの?
文部科学省のウェブサイトには、AIについて以下のように書かれています。
AIとは人工知能(ちのう)(Artificial Intelligence(アーティフィシャル インテリジェンス))の略称(りゃくしょう)。コンピューターの性能が大きく向上したことにより、機械であるコンピューターが「学ぶ」ことができるようになりました。それが現在(げんざい)のAIの中心技術(ぎじゅつ)、機械学習です。
機械学習をはじめとしたAI技術により、翻訳(ほんやく)や自動運転、医療画像診断(いりょうがぞうしんだん)や囲碁(いご)といった人間の知的活動に、AIが大きな役割(やくわり)を果たしつつあります。
引用元 AIってなに?文部科学省
つまりAIとは、コンピューター自身が学習し、蓄積した情報をもとに判断したり、考えたり、提案したりできるようになった技術のことです。
私たちの暮らしに直接関係ないように感じるかもしれませんが、実はさまざまな場面でAIは活用されています。例えば、スマートスピーカーのような音声アシスタントや、Google検索で表示される「AIによる概要」もAIの技術です。また、自動運転車やロボット掃除機などもAIが搭載されています。
シニア世代におすすめのAIアプリ2選
スマホでAIアプリを探すとたくさんあって、どれを選べばいいか分からないという方もいるでしょう。ここでは、比較的簡単に始められて、無料で利用できるおすすめのAIアプリを2つご紹介します。
LINE AI:LINEユーザーならすぐに使えるAI
普段からLINEを使っている方におすすめなのが、LINE AIです。LINEのサービスの一部なので、新しくアプリをインストールする必要がありません。
LINE AIは、利用規約に同意するだけですぐに利用を開始できます。普段LINEで友達とメッセージを送るのと同じように、知りたいことや調べたいことを入力すると、AIが情報を集めてくれたり、提案してくれたりします。
たとえば、道端で見つけた花の写真をスマートフォンのカメラで撮り、LINE AIに送ると、その花の名前を教えてくれるといった使い方もできます。
調べ物や情報収集にAIを活用したいなら、まずはLINEのサービスであるLINE AIから試してみてはいかがでしょうか。
Gemini(Google):音声入力で会話も楽しめるAIアプリ
調べ物だけでなく、音声を使ってAIと会話してみたいという方には、Googleが提供するGeminiがおすすめです。
GeminiはAndroidスマートフォンでもiPhoneでも利用できるアプリです。Google PlayやApp Storeからダウンロードしてインストールし、Googleアカウントでログインするだけで利用できます。Androidスマートフォンをお使いの方であれば、ほとんどの方がすでにGoogleアカウントをお持ちなので、すぐに始められますね。iPhoneをお使いの方も、Googleアカウントを用意すれば利用可能です。
GeminiはLINE AIと同じように文字入力もできますが、一番の特長は音声入力ができる点です。
「機械に話しかけるのは少し緊張する…」と感じる方もいるかもしれませんが、AIの音声認識の精度は日々向上しています。実際に試してみると、その精度の高さに驚くかもしれません。慣れてくれば、まるで人と話すように自然に会話できるようになるでしょう。
また、GeminiはAIの回答を音声で聞くこともできますし、AIと「会話」(Gemini Live)することも可能です。音声の種類(男性や女性)や声の高さ、話す速度なども自分にとって聞き取りやすいように変更できます。
AIを使うときに注意したいこと
AIは非常に便利なツールですが、活用する上でいくつか注意しておきたい点があります。
得た情報の正確性を確認する
AIが生成する情報は、学習データの偏りや古い情報に基づいている可能性があります。AIの回答を鵜呑みにせず、常に複数の情報源と照らし合わせて、内容が正しいかを確認するようにしましょう。
プライバシーとセキュリティに配慮する
個人情報や秘密の情報などをAIに入力する際は、情報が漏れてしまうリスクも考える必要があります。特に、無料のAIサービスやあまり聞いたことのないサービスを利用する際には注意しましょう。
AIに頼りすぎず、最終的な判断は自分で行う
AIはあくまで補助的なツールです。AIに頼りすぎると、自分で考える力や問題を解決する力が弱まってしまう可能性があります。AIは上手に活用し、最終的な判断はご自身で行うように心がけましょう。
この記事では、無料で利用できるAIアプリを2つご紹介し、AIが私たちの生活でどのように役立つかについて少し触れてみました。
パソコン教室の生徒さんの多くがAndroidスマートフォンをお使いなので、今回は特に、アプリをインストールするだけで手軽に利用できるGoogleのGeminiをおすすめしました。「会話ができると暇なときにいいかも」「スマートフォンだとパソコンのように電源を入れなくてもすぐに使えるから便利そう」といった声も聞かれ、AIへの期待が高まっていることを感じています。
AIの技術は日々進化しており、以前お話したMicrosoftのCopilot(コパイロット)のように、さまざまなAIが登場しています。Google PlayやApp Storeで「AI」と検索するだけでも、たくさんのアプリが見つかるでしょう。
AIアプリを選ぶ際は、ご自身がAIで何をしたいのか(例えば、調べ物だけなのか、会話もしたいのかなど)によって適したものが変わってきます。しかし、まずは今回ご紹介したような、比較的簡単に始められ、月額料金がかからないアプリから試してみるのが、AIに初めて触れる方にはおすすめです。
AIの活用で、皆さんのデジタルライフがより豊かになることを願っています。
AIを使う時に注意したいことは?
AIは情報収集ができたり会話ができたりと活用すれば便利だなと感じますが、AIを悪用するケースも見受けられます。そこで、AIを活用する上で注意したい点を挙げておきます。
得た情報の正確性を確認する
AIが生成する情報は、学習データの偏りや古い情報に基づいている可能性があります。常に複数の情報源と照らし合わせ、内容の正確性を確認するようにしましょう。
プライバシーとセキュリティ
個人情報や機密情報をAIに入力する際は、情報漏洩のリスクを考慮する必要があります。特に、無料のAIサービスや信頼性の低いサービスでは注意が必要です。
AIに過度に依存せず、最終的な判断は自分で行う
AIは便利なツールですが、AIに過度に依存しすぎると、自身の思考力や問題解決能力が低下する可能性があります。AIはあくまで補助ツールとして活用し、最終的な判断は人間が行うようにしましょう。
この記事では、AIアプリについて書いてみました。パソコン教室の生徒さんはほとんどの方がAndroidスマホを使っておられるので、アプリをインストールするだけで利用できるGoogleのGeminiをお勧めしました。
生徒さんからは「会話ができると暇なときにいいかも」「スマホだとパソコンみたいに電源入れなくてもすぐに使えるから便利そう」という声があったので、パソコン教室で今度Geminiのアプリをインストールするところから実際に利用する方法までお話するつもりです。