先日、LINEの個人情報の管理に不備が発覚したと報道がありました。このことに関してユーザーの個人情報に関する一部報道について|LINE株式会社という記事が公開されています。
この記事を読むと、個人情報の漏洩や不正アクセスはない、情報は暗号化されているため、サーバーの管理者でも閲覧できる状態にない、個人を特定できるようなものや金銭的被害につながるようなものは日本国内で管理している、と書かれていますが、海外からの情報アクセスに関しては利用者の許可が必要なのにそれをしていなかったというのが問題となっています。
これらの報道を受け、このままLINEを使い続けてもいいのかと不安を感じた人も多いのではないでしょうか。もちろん、わたし自身もこの件に関して不安を感じた一人でもあります。
ただ、LINEのみならず、インターネットを利用していく中で自分の情報が意図しない形で漏れる、流出するということはあります。インターネットは「絶対に安全」ということは難しいのですが、少しでも安全に利用するために個人ができることはあります。
今回は、LINEの「プライバシー管理」を見直すことで少しでも安全に利用できるように、最低でもこのあたりは見直してほしいなとおもうところをいくつか紹介したいと思います。
LINEを安全に使うために「プライバシー管理」を見直してみよう
「Letter Sealing」設定が有効になっているかを確認しよう
LINEのやり取りは「Letter Sealing」というシステムを導入し、暗号化されています。最近は、この「Letter Sealing」は初めから有効になっているのですが、一部のLINEでは無効になっているものがあるようです。
LINEのLetter Sealing」が有効になっているかを確認するには、
右上にある「設定(歯車のアイコン)」をタップ
「プライバシー管理」をタップ
「Letter Sealing」がオンになっていれば有効
で確認できます。
LINEの友だち以外からのメッセージを拒否する
LINE上の友だちになっていない人(アカウント)からのメッセージを拒否して、情報の抜き取り、なりすましなどの被害を防ぎましょう。
右上にある「設定(歯車のアイコン)」をタップ
「プライバシー管理」をタップ
「メッセージ受信拒否」をオン
LINEの「アプリからの情報アクセス」はどうする?
LINEの「アプリからの情報アクセス」とは、どういう意味なのかとよく質問されることがあります。
説明文によると
あなたを友だちに追加している人が、外部アプリに自身の友だち情報へのアクセスを許可した場合、そのアプリがあなたのプロフィール情報にアクセスすることを許可するかどうかを選択できます
とあります。
たとえば、スマホでゲームアプリを楽しんでいる人がわたしのLINE友だちにいたとする。その友だちがゲームアプリで遊ぶためにそのゲームアプリとLINEを連携させようとした場合、アプリによっては、ゲームを楽しむ人自身のプロフィール情報だけではなく、その人とLINEでつながっている友だちのプロフィール情報も取得するものがあります。
つまり、自分はそのゲームアプリでは遊んでいないのに、その友だちを通じてゲームアプリのほうへ自分がその人と友だちであるということが渡ることになります。
お互いにOKを出しているのであれば問題ないこともありますが、多くの人は連携する時にそこまで確認して操作することが少ないのが現実です。
もし、自分の知らないところで情報のやり取りがされているのが嫌だと感じる方は、この「アプリからの情報アクセス」を拒否しておくようにしましょう。
右上にある「設定(歯車のアイコン)」をタップ
「プライバシー管理」をタップ
「アプリからの情報アクセス」をタップ
「お互いに友だちの場合は許可」もしくは「拒否」をタップ
情報の提供を制限する
LINEには、自分がどこにいるかという「位置情報」や自分がどのようにLINEを使ったり、どんなホームページを見ているのかといった情報を提供することで、その人に合わせた情報やサービスを知らせてくれるサービスがあります。
これらは、自分の行動に即した案内や情報が入ってくるので便利な側面もあるのですが、自分の今いる場所やLINEの利用状況などの情報を提供するのに抵抗を感じるなら、オフにすることができるようになっています。
- コミュニケーション関連情報
トークの内容や動画・画像・通話内容などは含まれてはいないが、LINEのどんな機能をよく使うのか、LINEからどんなホームページを見たりするのかなどの情報を提供する、という設定 - 位置情報の取得
どこにいるかという「位置情報」をオンにしていると緊急速報や天気、近くのお店で使えるクーポンなどが提供される - 通知メッセージ
LINEに登録している番号を別のサービスで利用すると友だち追加をしていないLINE公式アカウントからメッセージが届く - LINE Beacon
コンビニなどに設置されている機器から発せられる信号を受信することで便利な情報を手に入れられる - 情報の削除
位置情報の取得を許可している場合に取得された位置情報などを削除することができる
広告の設定を見直す
LINEだけではないのですが、普段見ているホームページの傾向に合わせて広告配信が自動で行われています。たとえば、携帯電話のことを調べるのにいろいろなホームページを見たという人は、携帯電話に関する広告が多く表示される、というような仕組みです。
このように普段見ているホームページの傾向に合わせて広告が配信される仕組みを利用したくない場合は「ウェブ追跡型広告の受信」をオフにします。
LINEの「友だち追加」の設定を見直す
LINEの友だち追加にはいろいろな方法があります。一番安全なのはQRコードを目の前で読んでもらったり読んだりして登録することなのですが、離れた場所にいる人をLINEの友だちに追加したい場合はこの方法は使えません。
実は、以前こんなことがありました。
遠く離れた所に住んでいる人とLINEで友だちになろうとしたけれど、携帯電話の番号で検索しても出てこない、LINE IDは設定していないのでID検索もできない。
そうだ!QRコードを送ればいいんだ!
と思いついたその人、仮にAさんとしますが、LINEのQRコードをスマホにダウンロードし、メールで送ると無事その人とLINEで友だちになれました。
ここまでは良い話だったのですが、このQRコードを受け取った人、仮にBさんとしますが、そのQRコードを自分の友だちにもLINEで送ってしまいました。
AさんはBさんとだけLINEでやり取りしたいと思っていたらしいのですが、BさんはAさんとの共通の友人にQRコードを送ってしまったのです。
Bさん的には共通の友人だしいいだろうと思ったそうなんですが、Aさんから見ると知らない人(アカウント名がニックネームだったから)からいきなりメッセージが来て怖くなり相談に来られました。
実際には友人どうしなのでトラブルにはならずによかったのですが、ここで気を付けたいのが、QRコードをなんらかの方法で送ってLINEで友だちになろうとしたとき、その人とだけのQRコードのやり取りだということを忘れないでほしいということ。もしどうしてもほかの人にそのQRコードを転送したいのであれば、QRコードをほかの人に送っていいかを必ず訪ねてほしいのです。
そして、QRコードを送った人も相手が自分を友だち追加できたところで、自分のQRコードを変更しておくと安心です。
QRコードは以下の方法で更新することができます。
友だちの自動追加設定を見直す
自動で友だちに追加しない、追加されないようにする
LINEには「友だち自動追加」という設定があるのですが、「友だち自動追加」がオンになっていると、自分のスマホの連絡帳に入っている電話番号やメールアドレスがLINEの登録に使われていないかを照会し、LINEで使われていれば自動的に友だちとして追加されるという仕組みです。
一見、自分で友だちに登録しなくてもいいので便利そうですが、つながるつもりがない人まで友だちに追加されてしまうこともあります。個人的にはこのLINEの「友だち自動追加」の設定はオフにしておくことをお勧めしています。
「設定」→「友だち」→「友だち自動追加」をオフにする
また、友だち自動追加の設定の下に「友だちへの追加を許可」という設定があります。
「友だちへの追加を許可」をオンにしていると、あなたの携帯電話番号やメールアドレスをスマホに登録している人で、上の「友だち自動追加」の設定をオンにしている人のLINEにあなたが友だちとして自動的に追加されることになります。
また、あなたの電話番号を知っていれば検索して友だちに追加することもできるようになっているので、勝手に追加されては困るという人はこの「友だちへの追加を許可」もオフにしておきましょう。
そのほかに、LINE IDによる検索もオフにしておくとより安心です。