以前書いたWord(ワード)で写真を丸く切り取る2つの方法で、写真を丸く切り取るときに「図形に合わせてトリミング」を使う方法をご紹介したのですが、「トリミング」ボタンに▼ボタンがなくて「図形に合わせてトリミング」が選択できないと問い合わせいただきました。
Wordの「トリミング」ボタンの下にある▼ボタンをクリックすると、「図形に合わせてトリミング」が選択できるはず…、もしかしたら古いバージョンのWordを使っておられるのかと思い、画面写真を送っていただいたところ、Word2016を使っておられるようで。
Word2016なら「図形に合わせてトリミング」が利用できるはずなのですが…。
この記事では、Wordで「トリミング」ボタンに▼がついておらず、「図形に合わせてトリミング」が利用できない原因と対処法について書いています。
Wordでトリミングボタンに▼がついていないので「図形に合わせてトリミング」が使えない!
送っていただいた画面写真を再現したのが下の図です。
確かに、画像を選択したときに表示される「図の形式」タブをクリックした画面で、「トリミング」ボタンはありますが、「図形に合わせてトリミング」など細かいトリミングが設定できる項目が選択できる▼ボタンがついていません。
Wordの「互換モード」だと「トリミング」ボタンに▼がつかない
画面をよく見てみると、タイトルバーに出ているファイル名(例の場合だと「試し.doc」)の右側に「互換モード」と表示されています。
「互換モード」と表示されている場合は、「トリミング」ボタンのみが利用可能で、「トリミング」ボタンの下にあるはずの▼ボタンが表示されず、「図形に合わせてトリミング」などが利用できません。
Wordの互換モードとは?
この「互換モード」で作成されたファイルは、拡張子がdocになっています。
拡張子がdocというのは、Wordの古いバージョンで作成されている、もしくは古いバージョンでも開くことができるよう作成されているということ。
Wordの古いバージョンでも「トリミング」は利用できるのですが、「図形に合わせてトリミング」などは新しいバージョンのWordで利用できるようになったものなので、古いバージョンの形式で保存されている場合は利用できません。
Wordの互換モードでは写真を丸く切り抜くことはできないのか?
Wordの互換モードを解除してもいいなら新しいバージョンの保存形式で保存しなおせば「図形に合わせてトリミング」を使えるようになる
「互換モード」で作成されている場合でも、ご自身がWord2016以上のバージョンが使える状態で、ファイルの保存形式を変更してもよければ、新しいバージョンの形式(拡張子がdocx)で保存し直すことで「トリミング」ボタン下に▼が出るようになり、「図形に合わせてトリミング」などを利用することができます。
「ファイル」をクリック、「名前を付けて保存」をクリック、「このPC」を選択し、保存場所を確認、ファイルの種類にある▼をクリックし、「Word 文書(*.docx)」を選択し、「保存」ボタンをクリックします。
これで、タイトルバーに出ていた「互換モード」という表示が消え、「トリミング」ボタンの下に▼が表示されるようになり、「図形に合わせてトリミング」を利用できるようになります。
Wordの互換モードを解除できない、またはWordの古いバージョンで写真を丸く切り抜く方法
万が一、Word2016以上のバージョンを持っていない、あるいはWordの新しいバージョンで保存し直すことができない場合は、以下の方法で写真を丸くすることはできます(ただし、位置や大きさなどを調整することはできないので注意)。
まず、写真を丸く切り抜きたいので「挿入」タブをクリック、「図形」ボタンをクリックし「楕円」をクリックしてから用紙の上でドラッグして正円を描きます。
※正円を描くにはShiftキーを押しながらドラッグします。
正円の上にマウスポインタを合わせて右クリック→「オートシェイプ/図の書式設定」をクリック
オートシェイプの書式設定画面が開いたら、「色と線」タブをクリック、「塗りつぶし効果」ボタンをクリック、
塗りつぶし効果の画面が開いたら「図」タブをクリック、「図の選択」ボタンをクリック、
画像の挿入画面が開いたら、丸く切り抜きたい写真が保存されている場所(パソコンの中に写真があるなら「ファイル」から)をクリック、
丸く切り抜きたい写真を選択し、「挿入」ボタンをクリックすると、元の画面に戻ります。丸く切り抜きたい写真が入っているのが確認できたら、「図の縦横比を固定する」にチェックを入れ、OKボタンをクリック。
オートシェイプの書式設定画面に戻ったら、OKボタンをクリック。
この記事では、Wordでトリミングボタンの下に▼が表示されない原因と対処法について書きました。
Wordでトリミングボタンの下に▼が表示されないのは、ファイルの保存形式が互換モードになっていたため、でした。
互換モードのファイルを開いているWordのバージョンが新しいバージョンの保存形式に対応していれば、ファイルの保存形式を変更することによってトリミングボタンの下に▼がでるようになります。
もし、Wordの古いバージョン、あるいは互換モードを解除できない場合でも、図形の塗りつぶし効果を使用することで写真やイラストなどの画像を丸く切り抜くことはできます。
ただし、「図に合わせてトリミング」のように、写真の位置や大きさを調整することはできません。