パソコン教室で久しぶりにExcelの授業をしたのですが、「文字が消えない」と生徒さんから質問があがりました。
画面を再現したのが下の図です。
複数のセルに入った文字を一度に消そうと範囲選択をしたあと、キーボードのBackSpaceキーとDeleteキー、どちらを押しましたか?と尋ねると、「文字を消すんだからBackSpace(キー)でしょ?」と。
パソコンのキーボードで文字を消すキーと言えばBackSpaceキーを使うことが多いのですが、Excelの場合、1つのセルを選択しているときと今回のように複数のセルを選択しているときでは、文字を消すキーを使い分ける必要があります。
この記事では、Excelでセルに入った文字を削除する際、ひとつのセルに入っている文字だけを消す場合と、複数のセルを選択した状態で一度に文字を消す場合では、削除に使うキーが違うよという話を書いていきたいと思います。
Excelでセルに入った文字を削除するには
ひとつのセルに入っている文字を削除するならBackSpaceキー、複数のセルに入った文字を一度に削除したいならDeleteキーを使おう
結論から言うと、Excelで複数のセルに入った文字を一度に削除したい場合は、削除したい文字が入っているセルを範囲選択し、キーボードのDeleteキーを押します。
このとき、キーボードのBackSpaceキーを押すと、下の図のように複数のセルを選択しているにも関わらず、ひとつのセルに入った文字だけが削除されます。
Excelで複数のセルを選択する時は、選択したい範囲の左上になるセルにマウスポインタを合わせてドラッグし始めます。このとき、始点となるセルは白く、ドラッグしたセルはグレーになります。
この状態でキーボードのBackSpaceキーを押すと、始点となった白いセルの文字だけが削除され、グレーで選択されたセルに入った文字は削除されません。
セルに入力した一部の文字を削除したいなら数式バーを使うと速い
たとえば、下の図のように文字が入っているセルがあるとします。
「あいうえお」の「う」だけを削除したい場合、このセルをダブルクリックしてカーソルを出し、カーソルを消したい文字の右側に移動してキーボードのBackSpaceキーを押します。
ただ、この操作はダブルクリックすること、カーソルの移動が必要です。
Excelでセルに入った一部の文字を削除するなら、数式バーを使うほうが手間が省けます。
「あいうえお」と入ったセルを選択し、数式バーを見るとセルに入った文字が見えます。今回、「う」を消したいので、「う」と「え」の間にマウスポインタを合わせてクリックします。
すると、「う」の右側にカーソルが出ますので、キーボードのBackSpaceキーを押せば「う」を消すことができます。
AとBの間にカーソルがあります。
キーボードのBackSpaceキーを押すと、AとB、どちらの文字が削除されるでしょうか。
答えば、Aです。
では、キーボードのDeleteキーを押すと、AとB、どちらの文字が削除されるでしょうか。
答えば、Bですね。
キーボードのBackSpaceキーはカーソルよりも前(左側)の文字が消え、Deleteキーはカーソルよりも後ろ(右側)の文字が消えます。
一部の文字を消したいときは、カーソルから見て前(左)を消したいのか、後ろ(右)を消したいのかによってキーを使い分けることができるといいですね。
右クリックで「削除」はダメなの?
Excelで複数のセルを選択した状態でセルに入った文字を削除するにはDeleteキーを使います、とお話ししたところで、「右クリックして削除はダメなのか」と質問が上がりました。
いい質問ですね!そうなんですよね、複数のセルを選択した状態で右クリックすると「削除」というのがあります。試しに皆さんにもやっていただいたところ、こんな画面が出てきました。
この状態で「削除」ボタンをクリックすると…
選択していた範囲に入っていた文字が消えました。これでいいじゃないかという話になりました。
では、元に戻して2列目だけを選択し、右クリック→「削除」をクリックしてみます。また、同じ画面が出ましたが、何も変更せず「削除」ボタンをクリックしてみると…
3列目に入っていた文字が2列目に移動しましたね。
実は、右クリックして削除するというのは、文字を削除しているのではなくセル自体を削除しています。出てきた画面の中で「左方向にシフト」が選択されていたため、選択していたセル自体を削除し、選択していたセルの右側のセルを左に詰めて、という指示だったんです。
2列目・3列目を選択して右クリック→「削除」としたとき、4列目・5列目のセルには文字がはいっていなかったので、セルを削除しても空のセルが左に詰められたためセルに入った文字が消えたように見えた、ということなんです。
この右クリックして削除する操作は、選択していたセルを削除した後、それよりも右あるいは下にあるセルを詰める操作になるんですね。
Excelでセルに入っている文字を削除したい場合、ひとつのセルに入っている文字を削除するならBackSpaceキーでもDeleteキーでも削除できますが、複数のセルに入った文字を一度に削除するなら、Deleteキーを使いましょう。
また、右クリックして出てくる「削除」は、文字を削除するのではなくセル自体を削除し、選択しているセルの右側あるいは下にあるセルを詰める操作になります。
文字を削除したいだけなら、キーボードのBackSpaceキーかDeleteキーを使いましょう。