先生、スマホって難しいんでしょ?そう言ってわたしの手にあるスマホをのぞき込む生徒さん。家族にスマホなんて買っても無駄、使いこなせるわけがない!と購入を反対される高齢者の方も多くいらっしゃいます。
スマホは高齢者にとって「難しい」ものなのか
高齢者にとってスマホ操作は難しいものかとよく聞かれますが、何をもって難しいと思うのかというのは個人差があるとわたしは思います。
スマホ操作なんて(高齢者には)無理だ、難しいからやめておいたほうがいい。
ご自身がそうおっしゃる場合も多いですが、家族や友だち、知り合いからもそう言われたという方も多いのではないでしょうか。
ところが、わたしの担当する高齢者パソコン教室での様子を見ていると、言葉は悪いですが「意外と使えている」というのが正直な感想です。
とはいっても、パソコン教室にパソコン操作を習いに来ているわけですから、ITやデジタル機器に対する(心の)ハードルは低いかもしれませんが。
「高齢者だから」ではなく、スマホ操作を習得しやすい人と習得に時間がかかる人がいる
これは高齢者に限らず、スマホを操作することにも向き不向きがあるんじゃないかと思います。そして、難しく使おうと思えば使うことができるのがスマホじゃないかと思います。
スマホ操作について教えてほしいという人もいれば、どう教えたらいいかを教えてほしいという人もいます。そのことについては別記事(高齢者にスマホやタブレットを教えるときに気を付けてほしいこと)に書いていますので良かったら読んでみてください。
わたしも50代が目の前にやってきているので、若さというものに多少の負い目を感じたり、時には「若いからいいわよね」なんて言ってしまうことがあります。
スマホというのは、どんな人にでも使いやすいようにと日々開発が進んでいます。スマホが登場し始めた頃に比べれば、ものすごい進化を遂げていますし、これからもどんどん進化していくでしょう。
年齢が若いと理解するのが早いように感じるかもしれませんが、一概にそうとは言えないなと思うことが、求職者対象のパソコン講習を行った際によくありました。
瞬発的な記憶は若い人のほうが早い。だけど、一度腹に落ちた記憶を持ち続けられるのは年齢ではなくその人それぞれでした。
スマホに興味を持つこと自体は悪いことではない。スマホというものがどんなものかを「知る」ことから始めてもいい
わたしの受け持つ生徒さんに「知ることを拒んだらそこから先はない。知ってどうするか後で決めればいい。好奇心って大事だ」といつもお話しています。
スマホというものがどういうものかを「知る」こと自体は悪いことではないですよね。いろんな用語が飛び交い、スマホという機器なのに人それぞれできることが違っている。それがスマホなのです。
授業の合間にスマホの話を聞かせてと言われることがあるので、ときどきお話しするのですが、以前に比べて用語を聞き慣れてくださったのか、用語自体の説明時間は大幅に減少しました。
聞き慣れること、見慣れることって大事ですよね。
わたしは基本的に、聞くのはタダと思う性格なので分からないことは調べてみて、それでも分からなければ聞くことに抵抗はありません。たぶん、聞く恥ずかしさや聞いて分かるかなという不安より好奇心のほうが上回っていると思います。
勉強したいな、知りたいな、でも…と迷っている人の背中を押したいと何かを始めるのに年齢は関係ない。大人になってからの学びについて考えるという記事も書いてみました。
若いからスマホ操作が容易というのはある意味誤解ではないかと思います。相談に来られる方は確かに高齢者のほうが多いのですが、偶然会うと「これどうやって使うの?」とスマホを差し出してくるのは40代~50代の人のほうが圧倒的に多いですから。
使っている人が全てを知っているとは限らない。まずは携帯電話会社の店員さんに何でも聞いてみましょう
スマホを使っていれば分からないことって必ず出てきます。これは断言できます。
例えば家族に聞いたり、仲の良い友だちに聞けばいい、そんなふうに考えているとするなら、それはやめておいたほうがいいと思います。
それは、スマホを使っているからといっても、その人、その機種、それぞれに環境が違います。特にスマホはアプリを追加していけば同じ機種を使っていても環境ってどんどん変わってしまうんです。
そうなると、同じスマホを使っているからといっても同じトラブルや不安、不満を感じているとは限らない、同じ現象が起こることってほとんどありません。
なので、困ったら携帯電話会社の店頭に問い合わせをすることをおすすめしたいと思います。以前に別の記事に書いていますのでお時間あったら読んでみてくださいね。
関連記事 スマホで困ったことを相談できる携帯電話会社のサポートサービスを調べてみた
高齢者にとってスマホ操作は難しい?のまとめ。
スマホ操作が難しいかと聞かれたら、わたしは「それは使ってみないと分からないと思うけれど、わたしは操作していて面白いとは思っている」と答えます。
使い勝手というのは「使う」側の「勝手」ですものね、その人自身がどう感じるかはその人だけのもの、わたしにとっては面白いし便利だけれど、相手も必ずそう思うかといえば決してそうとは言い切れないものです。
ただ言えるのは、知識や経験がないものを個人的感覚で「いいよ」「悪いよ」「便利だよ」とは言えないので、一度勉強してみるといいし、触ってみるのがいいと思うのです。
スマホを販売している店頭に置いてあるものに実際に触れてみることから始めてもいいんじゃないかと思うのです。
普通の電化製品なら買ったあとコストがかかることはあまりありませんが、スマホは機械の購入と合わせて通信費という毎月かかるコストがあるし、そもそもスマホは契約になります。
気に入らないから、壊れたからと気軽に買い替えることができないのがスマホ。
だからこそ、不安に思う気持ちもじゅうぶんによく分かるし、わたし自身も初めてスマホを手にしようと考えた時は思いきり迷いました。何度店頭に出向いたことか…。
いろいろ考え重ねた挙句、「よし、機種変更しよう」と思い、いざ手に入れたはいいけど、取扱説明書も付いていない現実に「え…」と言葉を失った経験もある。いろいろ試しながら今の使い方に落ち着いたのです。
どこまでも機能を向上させられるであろうスマホとどこで折り合って付き合うのか、これは自分自身が決められること、です。それとコストが見合えばそれで十分なのだとわたしは思います。