高齢者を対象としたパソコン教室でたびたび話題に上がっていたのは「スマホへの機種変更」。実際、現時点ではすべての生徒さんがスマホに機種変更されましたが、スマホに機種変更する前は、「高齢者にはスマホは難しくて使えない」という声が多数でした。
が、実際、ガラケーからスマホへ機種変更された生徒さんたちは、変更前に感じていた不安より便利さを実感されているように思います。
パソコン教室に通っている方たちですから、パソコンだけに限らずインターネットなどに対する抵抗みたいなものが少なく、興味関心が比較的高めだとは思いますが、それでもいろいろ感じるところはあったようです。
この記事では、生徒さんたちがスマホに機種変更していく中で質問されたことなどを元に、高齢者にとってスマホは難しいものなのかということについて少しまとめておきたいと思います。
高齢者にとってスマホの何が難しいと感じるのか
実際、教室のすべての生徒さんたちはガラケーからスマホに機種変更されましたが、機種変更するに至るまで多くの質問が寄せられました。
スマホを使いこなせるのかと不安に感じている
一番関心が高かったのは、高い本体代金を払い、月額料金もガラケーの倍程度に負担が増えるのにスマホを使いこなせるのか、という点でした。
高齢者がスマホを使いこなせるのか、という点についてですが、「使いこなせる」というのがスマホのすべての機能を誰にも聞かずに使うということであれば難しいと言えると思います。
ただ、これが高齢者だから、という理由ではなく、すべての人がすべての機能を使いこなすことができているのかと考えると、おそらく「使いこなせている」という人より「使いこなせているかな」と疑問に思う人の方が多いのでは、と感じます。
実際、私自身もスマホを利用していますが、すべての機能を使っているかと聞かれれば、自分が使いたいものだけ使っているので、すべての機能は使っていないと答えると思います。
また、わたしの周りの人からも「変な画面が出た」「アプリの使い方が分からない」「設定がよく分からない」とよく質問いただきますが、決して高齢者という世代ではありません。
なので、高齢者だからスマホが使えないということはなく、逆に若いからスマホが使えるということでもないような気がします。
スマホはしたいこと、やりたいことに応じて「アプリ」を追加していくことで使える範囲が広がっていく
スマホというのは、スマホを購入した時点で最低限必要な機能は備わっていますが、ひとそれぞれ必要な機能を持つ「アプリ」を追加していくことで、ご自身の使い勝手のいい状態になります。
たとえば、スマホで脳トレゲームがしたいと思えば、脳トレゲームができる「アプリ」を追加します。「アプリ」を追加するには、アプリを探してスマホにダウンロード・インストールするという操作が必要です。
脳トレゲームができるアプリは無数にあるので、どのゲームをダウンロード・インストールするかは、人それぞれだし、ゲームひとつひとつ操作が違っているので誰かにゲームのやり方を聞くことができないということもよくあります。
この操作は覚えるというより探すことに慣れる必要があります。
パソコンで検索した経験があれば、アプリのストア(iPhoneならApp Store、AndroidならGoogle Playというアプリのこと)で探したいアプリを検索できるかもしれませんが、検索そのものをしたことがなければ探し方が分からないかもしれません。
最近のスマホは購入直後でも多くの「アプリ」がインストールされているので、アプリのストアで検索するというのは応用編になります。
スマホの画面に直接触れて操作することに慣れない
ガラケーとスマホの大きな違いは、ガラケーはボタンを操作しますが、スマホは画面を操作するという点だと思います。
ガラケーはボタンを操作するので押した感覚がありますが、スマホは画面に直接触れて操作するため、自分ではタッチしたと思っているけれど画面が変わらないということがよくあります。
携帯電話各社が出している高齢者向けスマホの中には、画面をタッチするとボタンを押したように感じるものがあります。
画面を直接触るということ自体、慣れていないというのもあると思いますし、手の乾燥が原因でスマホが反応しないということもあると思います。
スマホの操作としてはアプリのアイコンをタッチ(タップ)すればアプリが起動し、画面を拡大したいときは2本の指を画面に当てて開きます。画面を上下左右することもありますし、トントンと2回タッチするという操作もあります。
画面を触ると割れてしまったり傷がついてしまったりしそうで…とそ~っと触ることで余計に反応しないということも教室ではよくありました。
文字入力が覚えられないかもしれない
スマホを操作する上で必要になるのが文字入力。
ガラケーはボタンを数回押して文字を入力、変換候補が出てきたらボタンを押すという操作だったと思いますが、スマホもガラケーと同じ操作で文字が入力できるようになっています。
スマホの文字入力に関しては、ガラケーで文字入力ができていた人なら大丈夫じゃないかと思います。
それに、スマホでは「音声入力」で文字を入力することができます。
入力できるところにマイクのマークが出ていれば、マイクのマークをタッチしてスマホに喋りかけて文字を入力することができます。
初めは、なんて言えばいい?と考え、「えー」とか「あのー」とかつい口にしてしまうことがありますが、慣れるとすんなりできるようになります。
生徒さんたちも初めはぎこちなかったですが、最近では「Hey!Siri」「OK、Google」と言ってから、「○○について教えて」と言って検索したり「○○さんに電話して」と言って電話をかけたりされています。
中には、愚痴を聞いてもらうのよとおっしゃる生徒さんもいらっしゃいます。
用語を覚えないと操作できないと思っている
これも生徒さんからよく聞いたことなのですが、用語が難しく感じる、覚えられない。
用語は確かにありますが、用語自体を覚える必要はなく、その用語がどういうことを表しているのかを聞き慣れていただければ、と考えます。
たとえば、「アイコンをタップして」と言われたとして、並んでいる絵柄のうち、開きたいなと思う絵柄を指でタッチする、という言葉に慣れてもらうだけで十分です。
ダウンロードやインストール、アンインストールについても、スマホにアプリを取り込むことを「ダウンロード」、アプリを使えるようにすることを「インストール」、アプリが要らなくなったら削除することを「アンインストール」と言いますといった具合です。
パスワードの管理が大変
あと、やっぱりスマホを操作する上で避けて通れないのが、何かにつけ出てくるパスワードの入力。
ガラケーでパスワードの入力を求められる機会はなかったと思いますが、スマホは何かしようとするとパスワードを入力して、と画面が出てきます。
同じアカウントやパスワードを使いまわすと危険だという話を聞いて、パスワードをいくつも使っているが、どれがどのパスワードなのかを覚えておくのが非常に困難だという話もよく聞きます。
パソコンが家庭に入り始めたころは、パスワードなど大切なものは人目につかないところに保管しておこうという話をしていましたが、現状、それが難しいと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
スマホの「指紋認証」や「顔認証」が使えるのであれば、パスワードを自分で入力せず、指紋や顔で認証することで入力を省く機能があるので、それを使えるようにするのも使いやすくする方法だと思います。
この記事では、ガラケーからスマホに機種変更した生徒さんたちとお話している内容について少しまとめてみました。うまくまとめられているか分かりませんが、高齢者だからスマホは使いこなせないということはなく、スマホに機種変更してもガラケーでできていたことができればいいのかな、と個人的には考えています。
ただ、スマホの本体代金がガラケーに比べて高額ですし、月々の支払いもガラケーの倍くらいにはなりますので、負担を考えるとスマホに機種変更しましょう!とはあまり言えないかなとも思っています。
ガラケーで使えていたメールアドレスが使えなくなってもいい、月々の料金負担を軽減したいということであれば、格安スマホに乗り換えるという選択肢もありです。
格安スマホに乗り換えると、ガラケーで使っていたメールアドレスは使用できなくなりますが、携帯電話番号は変えずに済みます。
格安スマホは、携帯電話会社のように店舗がないことが多く、乗り換えのしやすさ、何かあったときの対応をお願いしたりすることが難しいというデメリットがあるので検討が必要ですが、月々の料金負担は安く抑えることができると思います。
下に詳細ページを載せておきますのでよかったら目を通してみてください。


