高齢者にスマホやタブレットを教えるときに気を付けていること

FirmBee / Pixabay

高齢者対象のパソコン教室を9年担当させていただいたインストラクターとして、高齢者に対してスマホやタブレットの操作を教えるときに気を付けていることを書いていきます。

スポンサーリンク
レクタングル広告大

「教える」と「聞かれて答える」は違う

高齢者にスマホやタブレットの操作方法を教えるときのシチュエーションで多いのは、一から教えることよりも聞かれて答えるほうが多いのではないでしょうか。

いま「教えようとしている」のか「聞かれたから答えようとしている」のか。それによって対応の仕方が変わってくると個人的には思います。

一から教えてほしいタイプの人と知りたいことだけ教えてほしいタイプの人がいる。

これは高齢者に限定した話ではないですね。基本的なところからしっかりと教えてほしいタイプの人と今知りたいことだけを聞きたい・教えてほしいタイプの人がいます。

いま目の前にいる人はどちらのタイプでしょうか。ここを見分けることが大切なんじゃないかと思います。

教える側としては、教えるからにはしっかりと理解してほしいという思いから基本の「き」からお話したいと思うかもしれません。これが前者のタイプの人だとありがたい話、なのですが、後者の場合だと「そんなことはいいから」とその話を聞こうとはしません。

需要と供給がマッチしていませんね。そうなると教える側は「なぜ話を聞かない」と思うだろうし、教えられる側は「早く本題に入って」と思うでしょう。

この状態はお互いのためにはなりません。

インストラクターの場合、一斉に複数の人に対して講習を行いますので、一から教えるというスタイルを取ることが多いですが、一対一であれば教えられる側の望む形に教える側が寄せる必要があります。

確かに、基本の「き」は大事です。が、それを望んでいない人に対していくら時間を費やしてもお互いに不満を感じる可能性が高くなります。

であるなら、教えられる側がどのような形で教えてほしいと思っているのかに合わせるほうがお互いのためになるのでは、と思います。

できるだけお互いに不満や負担を感じず、時間を有効に使って望む形に近づけていく方がいいような気がします。なかなか難しいですが…。

高齢者にスマホやタブレットの操作方法を教えるときにチェックしておくとよいこと

携帯電話、パソコンの使用状況

どれくらいデジタル機器を使っているか、その現況を確かめておくといいと思います。

携帯電話を使用しているなら、携帯電話でどんなことをしているのかを聞いておきます。高齢者は「今まで出来ていたことが出来なくなる」ということに大きな不安を感じるのです。

例えば、

  • メールの送受信やメールに写真を添付したやり取りをしているか
  • 携帯電話のカメラを使って写真を撮影しているか
  • 撮影した写真をどうしているか(パソコンに転送しているかが一番聞きたいこと)

などです。

実は、携帯電話からスマホに移行した高齢者に一番多い課題というのが「電話に出る」なのです。携帯電話だと受話器のボタンを押せば電話に出ることができますが、スマホの場合、スマホの画面がロックされていると画面に出てきた通話または応答をスワイプすることがあります。このスワイプがうまくいかない人が意外と多いのです。

それと携帯電話だとボタンを押している感覚が指に伝わってきますが、スマホだと反応がない(シニアスマホの場合は反応があります)ので不安を感じることがあるそうです。

違うものに指で触れてはいけないと思うのか、そーっと指を当てるのでスマホが反応しないということもあります。違うものに触れても「ホーム」を押せばいいんだよ、Androidなら戻るボタンをタップすればいいんだよ、とお伝えする。

スマホの場合は携帯電話と同じ入力方法で文字を入力することができますが、タブレットだとローマ字入力が初期値になっています。パソコンで文字入力ができているならローマ字入力の可能性があるので、タブレットで文字を入力するのもさほど困ることはないと思います。

ただ、キーボードの切り替え方法はしっかりとお話しておかれたほうがいいと思います。

”キーボードで入力するのが難しいなら音声入力”という話がよく聞かれますが、高齢者にとって画面に向かって話しかけるというのは難関です。というのも、画面に向かって話しかけようとすると「えー」とか「あー」とか、つい口にしてしまう。スマホやタブレットの音声入力はそれも拾ってしまいます。

意外と音声入力には慣れを必要とします。いつもどおりに話していいんだよとお伝えしても緊張するという声をよく聞きます。できないのではなく慣れていないだけなのですが、スマホに話しかけても音声入力が拾ってくれないと、出来ないと思い込んでしまうことがあります。

なので、できるだけスマホなら携帯電話と同じように文字入力ができること、英文字を入力するならキーボードの切り替えが必要なこと、タブレットなら画面を横にしてもらうとキーボードが大きくなるものもあるので押し間違いは減ることなどを伝えてもらえればと思います。

それから、高齢者の中にはパケット通信がどういうものかを理解されていない人がいらっしゃいます。高齢者本人が窓口に行って自分で契約している人ならこのあたりは窓口の人にしっかりと聞いているでしょうが、家族が代わりに窓口で契約していたり、テレビ通販で購入する人もいたりするので、自分がどんな料金プランに入っていてどれくらいパケットを使うことができるのかというのを知らないあるいは理解できていない人がいます。

高齢者の中には動画サイトや地図アプリなどパケットを大量に使うものを使いたいという人がいます。動画サイトをパケット通信で見るとあっという間に制限を超えてしまいます。地図アプリも同様です。

最近、家族とパケット通信の容量を共有(シェア)できるプランもあります。これはご家族が契約している場合が多いのですが、急にパケット通信量がぐんとアップしたなと調べてみたら両親がガンガン使っていたという事例もあります。

アプリの中にはパケット通信が必要なものとそうじゃないものがある、このことはしっかりとお伝えしておいた方がいいと思います。

とはいえ、家庭にWi-Fi環境(無線LAN)があるなら、家でスマホやタブレットをWi-Fiにつないでおけばパケット通信は不要ですので、そのこともあらかじめ確認しておくとよいかもしれません。

高齢者に一からスマホを教えるわたしの流れ

目指すは、携帯電話でできていたことができること!

先ほども書きましたが、高齢者は「今まで出来ていたことが出来なくなる」ことに非常に敏感に反応します。

まず、高齢者自身に「携帯電話を使ってどんなことをしていたか」を書き出してもらいます。それができるようになるのが第一目標だと、そこを目標にやっていこうと共有します。

スマホのスリープ機能についてお話する

スマホはしばらく触れないと画面が真っ暗になりますね。これをスリープと呼びますが、この状態に驚く高齢者は非常に多いです。ホームボタンなど基本的なボタンをお話してしばらく放置してもらうようにします。するとスリープ画面に入ります。

「スマホはパソコンと違って中にある電池で動いているから、電力消費を抑えるために画面を真っ暗にして待機する」とお話してから復活させる方法をお話します。

画面が真っ暗になっても心配ない、それを意識付けます。

カバンやポケットに入れるときは電源ボタンを押してスリープ状態にしておくようにもお話します。画面がスリープ状態(ロック状態)になっていないと勝手に電話をかけてしまうことがあるので、とお話するようにしています。

基本はポチッ、シャー、指で開いて・つまんでだけだよとお話する

画面を指でタッチすることをタップといいますが、タップという言葉を覚えてもらう必要はないかな、と。動作を音で表して。タッチする操作、これなんて呼ぶ?と聞いたりもします。タッチでもタップでもポチッとでも、なんでもいい。自分が覚えやすい音で動作を覚えてもらうことを優先します。

操作に慣れてくれば自然と言葉も後から付いてきます。専門用語に拘らず。なんでもいいんです。動作を覚えてもらうことのほうを優先しています。

アプリのインストールは携帯電話でできることができるようになってから

スマホはアプリをインストールしていくことでその操作性も広がっていきます。スマホは便利だというのは、それぞれが必要としている機能を持ったアプリをインストールするからだと思います。

最初から欲張らず、既存のアプリをある程度使って操作に慣れてもらってから、アプリのインストールについてはお話するようにしています。

高齢者にタブレットの使い方を教える方法

タブレットは基本的に電話の機能が付いていませんので、携帯電話とは別物として教えることになります。

高齢者にとってはパソコンに近い感覚になるかもしれませんので、インターネット検索の方法を教えることが多いです。

文字入力については画面が大きくなるので、パソコンのキーボードに慣れている高齢者ならローマ字モードに切り替える方法を話しておきましょう。

スマホやタブレットの使い方でありながらアプリの使い方を聞かれることがほとんど

といいながら、スマホやタブレットの使い方を教えてという高齢者の多くは、スマホやタブレット自体の操作を教えてというのでなく、アプリの操作方法について教えてほしいと言われます。ちなみに最初から入っているアプリには見向きもしません。強いてあげればカメラとマップくらいではないかと思います。

聞かれる内容としてはアプリの買い方、インストール、使い方になるかと思いますが、これは教える側の人間が使っているか否かで対応が違ってきます。

そこから考えるに、スマホの場合は電話機能をメインに、タブレットは検索をメインにお話をするところまでは「教える」になり、それ以外、例えばアプリに関することは「聞かれて答える」になるかと思います。なので、高齢者にスマホやタブレットの操作方法を聞かれたときは、先走って教え過ぎないというのもひとつではないかと思います。

高齢者に使い方をメモしてという場合、気を付けること

スマホやタブレットに限らず、高齢者に何かを教えると必ずメモを取ってくれます。教えるほうもメモしてといいます。

このメモを取ろうとするとき、そのあたりにあるメモ紙にパパッと書き始めませんか?それだとその紙を失くしてしまうかもしれません。

わたしはいつも「ノートを一冊準備して」とお願いしています。そこには日付と何について聞いたかということと答えとを合わせて書いてもらうようにしています。

余裕があるときはアイコンの絵を簡単に描いてもらうこともあります。スマホのこのあたりと図で描く人がいらっしゃいますが、何かの操作中にアイコンが移動してしまうと見つからない、無くなったと驚かれる方がよくいらっしゃるからです。

高齢者にスマホやタブレットを教える、のまとめ。

スマホの場合は今まで携帯電話でできていたことができるように、タブレットの場合は検索ができるように。そこまで教えて後は使いながら聞いてもらいましょう。

あとはスリープ。これはしっかりお伝えしてください。

関連記事 スマホは買えば何でもできる?

関連記事 スマホは難しい!そう思うのはなにもシニア世代だけではないのです

パソコン教室の先生
パソコン教室の先生

市内の60歳以上の方を対象としたパソコン教室でインストラクターをしています。授業の中でお話している内容やパソコン相談会でお受けするご相談などについて書いています。

高齢者のためのICT教室については本サイト「高齢者のためのICT教室」についてお読みください。お問い合わせには随時対応させていただいておりますが、時間がかかりますことをあらかじめご了承くださいませ。

お問い合わせ

にほんブログ村のブログランキングに参加しています。良かったらクリックお願いします




スポンサーリンク
レクタングル広告大
レクタングル広告大

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする