Excelの関数のひとつに「IF(イフ)」というのがあります。
IFという英単語の意味は「もし~だったら」ですが、この関数を使うシーンも同じで「もし~だったら〇〇、そうじゃなかったら××」というように、与えられた情報を関数を使って仕分ける(条件分岐といいます)ことができます。
関数「IF」を使って60点以上だったら合格、60点に満たなかったら再テストと表示してみる
ではさっそく、関数「IF」の基本的な操作方法についてご紹介していくため、下の画像のような表を作成してみました。
何かの点数のようですが、この4人の中で60点以上取ることができた人には合格の列に「合格」、60点に満たない人は「再テスト」という文字を表示させる、条件分岐を行っていきます。
まず、Aさんから。Aさんの点数は52点ですので合格の列に表示させたいのは「再テスト」ですね。この人数なら「〇」と「再テスト」を手入力してもいいのでは…というのはおいておきます。
関数「IF」を呼び出そう
「ホーム」タブをクリック→「オートSUM」ボタン横の▼をクリック

「その他の関数」をクリック

関数の挿入画面で「関数の分類」の▼をクリック→「論理」をクリック

関数名の一覧から「IF」探してクリック→OKボタンをクリック

これで関数「IF」の設定ができる「関数の引数」という画面を開くことができました。次からは、関数の引数を設定していきます。
関数「IF」の引数(IFの条件分岐)、論理式を設定していこう
関数の引数画面の「論理式」の欄をクリック→Aさんの点数が入っているセルをクリック
キーボードで>=60と入力
これで、点数が60点以上だったらという論理式が完成しました。
ちなみに、論理式に使った記号の意味はこうなります。
- >=60 60点以上
- >60 60点より大きい(60点は含まない)
- <=60 60点以下
- <60 60点より小さい(60点は含まない)
- =60 60点ぴったり
条件に合致したらどうする?「値が真の場合」を設定していこう
関数「IF」の値が真の場合とは、先ほど入力した論理式に合致したらどうしたいかを設定していきます。今回だと、値が真の場合、つまり60点以上だったら「合格」と表示させるという設定になります。
「値が真の場合」の欄をクリック→合格と入力
条件に合致しなかったらどうする?「値が偽の場合」を設定していこう
次に、「値が偽の場合」ですが、先ほど入力した論理式に合致しなかったらどうするかを設定していきます。今回だと、値が偽の場合、つまり60点以上ではなかったら「再テスト」と表示させるという設定になります。
「値が偽の場合」の欄をクリック→再テストと入力
これで関数「IF」の引数の設定が終わりました。
表示させたい文字は「”」で挟む
「値が真の場合」の欄を見てみると、先ほど入力した「合格」の文字を挟むように「”(ダブルクォーテーション)」が入力されているのが確認できるでしょうか。
関数で、条件を指定したときに文字列を表示させたいときは、表示させたい文字を「”(ダブルクォーテーション)」で挟むという決まりがあります。
ところが、合格という文字を入力したときにはこの「”」を入力した覚えはありませんね。これは、Excelの仕様で、別の枠を選択したことで足りない「”」を入力してくれたものです。
では、「値が真の場合」に入力した「再テスト」にはどうやったら「”」を入力することができるのかということになると思うのですが、「値が真の場合」の欄をもう一度クリックすれば「再テスト」も「”」で挟むことができるはずです。
値が真の場合も偽の場合もダブルクォーテーションで挟まれていることが確認出来たらOKボタンをクリックします。
IFがうまく動作していれば、Aさんは再テストと表示されるはずです。
関数「IF」をコピーして他の人はどうなるかを確認してみよう
これで、関数「IF」を使った条件分岐ができました。次はBさんといいたいところですが、Excelにはドラッグするだけで関数や計算式などをコピーする機能があるので、今設定した関数「IF」をコピーしてみましょう。
関数をコピーするには、関数を入力したセルを選択した状態で右下の■にマウスポインタを合わせてドラッグします。
全員の点数と合格、再テストの表示に間違いがないかを確認してみましょう。
Aさんの点数を60点に変更してみましょう。再テストが合格に変われば成功です。
関数で何も表示しないという設定は「ダブルクォーテーション」を2つ
では、ここからは応用編です。
先ほどは60点以上を合格、60点に満たない人は再テストと表示させましたが、60点以上の人は合格、60点に満たない人は何も表示しない、という条件分岐だと「値が偽の場合」にどう入力すればいいでしょうか。
値が真の場合、偽の場合、どちらも表示させたい文字を「”(ダブルクォーテーション)」で挟みましたが、「””(ダブルクォーテーション)」を2つ入力すれば、何も表示しないようにできます。
さきほどと同じように計算式をコピーしてみましょう。BさんとDさんにだけ合格と表示されればIF関数の設定はうまくいっています。
高齢者のためのExcel関数講座 「IF」を使って条件分岐してみよう
今回はIF関数の基本的な操作方法について書いてきましたが、いかがだったでしょうか。他の関数を組み合わせればもっと複雑な条件分岐もできます。
IF関数、知っていると役に立つ関数のひとつです。ぜひトライしてみてくださいね。