前回の記事の続きになりますが、Excelで割合を求めた時、小数点を含む計算結果になりました。
これでもいいのですが、割合は%で表した方が分かりやすいので、表示形式を変更し、小数点第1位まで表示するよう、表示形式を変更する手順をお話ししました。
Excelで小数点を含む計算結果の表示形式を、%表示にしたところで「これ、四捨五入されてる?」とある生徒さん。そうなんですよね、Excelでは%表示にすると値は四捨五入されます。
先生、今回はいいけど、たとえば消費税とか、切り上げたり切り捨てたりすることもあるでしょ?そういうときはどうすればいいの?
この生徒さんは、会計のお仕事をされていたそうで、消費税は四捨五入だけじゃなくて事業所によっては切り上げたり切り下げたりします。
消費税の端数処理はどうする?小数点以下の処理方法やインボイス制度後の取り扱いについて解説 | 経営者から担当者にまで役立つバックオフィス基礎知識 | クラウド会計ソフト freee
そこで、授業内容からは脱線してしまいますが、消費税の計算で切り上げたり切り下げたりする方法について話すことになりました。
Excelで計算結果に小数点が含まれている場合、小数点以下の値を切り上げる、もしくは切り捨てる方法について書いていきます。
Excelで小数点以下の値が含まれる場合、切り上げたり切り捨てたりするにはどうする?
Excelでは、四捨五入は「ROUND」、切り上げは「ROUNDUP」、切り捨ては「ROUNDDOWN」という関数があります。
例として、四捨五入・切り上げ・切り捨ての方法を紹介するため、下の図のような消費税を計算する表を作りました。
計算式は以下のように入力しています。
Excelで桁数を指定して四捨五入、切り上げ、切り捨てができる関数を使う
消費税を計算するには値に税率を掛けます。この表の場合、消費税の欄には「金額×税率」という計算式が入ります。ところが計算結果には小数点以下の値が含まれています。
小数点以下の値をどうするか、四捨五入するか、切り上げるか、切り捨てるかには決まりがなく、それぞれの事業所単位で決めることができるようです。
ここからは、Excelで桁数を指定して四捨五入、切り上げ、切り捨てができる関数の探し方と、計算式の入れ方(引数)についてまとめます。
Excelで桁数を指定して四捨五入、切り上げ、切り捨てができる関数は、それぞれ
- 四捨五入・・・ROUND
- 切り上げ・・・ROUNDUP
- 切り捨て・・・ROUNDDOWN
となります。例として四捨五入できる関数「ROUND」で探し方と計算式の入れ方を紹介します。
まず、消費税を求めたいセルを選択した状態で数式バーにあるfx(関数の挿入)ボタンをクリックします。
関数の挿入画面が開いたら、分類横にある▼をクリック→「数学/三角」をクリック、
「ROUND」を探してクリック、OKボタンをクリックします。
ROUND関数の引数画面が開きます。引数画面には「数値」と「桁数」の欄があります。値が入っているセルを選択すればいいのですが、今回は、元表にある「金額」と「税率」の値を使って「数値」の欄に「金額×税率」の計算式を入れます。
次に、「桁数」の欄でクリック、「0」と入力し、OKボタンをクリックします。
これで、「金額×税率」で求めた消費税の計算結果の小数点第1位で四捨五入することができました。
切り上げの「ROUNDUP」、切り捨ての「ROUNDDOWN」も四捨五入の「ROUND」と同じ数値、桁数を入力すればそれぞれの値を小数点第1位で切り上げ・切り捨てすることができます。
今回は、小数点第1位の値を四捨五入、切り上げ、切り捨てするため「桁数」に「0」と入れましたが、たとえば、小数点第2位の値を四捨五入、切り上げ、切り捨てしたいとすると、「桁数」には「1」と入れます。
逆に、1の位の値を四捨五入、切り上げ、切り捨てしたいとすると、「桁数」には「-1」と入れます。
なんとなく、小数点第2位のほうが「-1」で1の位のほうが「1」のイメージですが、逆なんですね。ここが少しややこしいというか、忘れがちなので、ROUND、ROUNDUP、ROUNDDOWNの引数にある「桁数」は小数点のほうは1、2、3…、整数のほうは-1、-2、-3…となることを覚えておきましょう。