Excelで同じ計算式を列方向または行方向で使うには計算式をコピーするとひとつずつ計算式を入力する手間が省けるという話をしたことがあるのですが、先日、生徒さんが割合を求める計算式をコピーしたところ、以下のように「#DIV/0!」と表示され、計算できなかったと言われました。
割合を求める計算式は別の記事にも書いた通り、それぞれの数値を全体数で割ります。割合を求める計算式の場合、それぞれの数値は複数ありますが、全体数は1つしかないため、計算式をコピーしてしまうと参照セルがずれてしまい、正しく計算することができません。
この記事では、計算式の参照セルがないと表示される「#DIV/0!」を回避する方法として絶対参照という方法をご紹介していきます。
Excelで計算式をコピーしたら#DIV/0!と表示される理由は
計算式で参照するセルに値が入っていないと#DIV/0!と表示される
計算式をコピーしたら#DIV/0!と出るのは、参照先に計算対象となる値が入っていないというエラーメッセージです。先ほどの表の参照先を確認してみます。

計算式を入力したひとつめの「いちご」の参照先です。個数65を全体数315で割っていることが分かります。

ひとつめの「いちご」に入力した計算式をコピーしたふたつめの「みかん」の参照先を見てみると、個数は合っていますが、ひとつ下にずれてしまって全体数を参照できていません。

Excelで計算式で参照するセルをずらしたくない、固定したいときは「絶対参照」を使う
Excelでは、計算式で参照したセルはドラッグすることでひとつずつずれるようになっています。このことを「相対参照」といいます。
今回の計算式だと、個数はずれてもいいけれど全体数の参照はずれてはいけません。参照先がずれないように固定することを「絶対参照」といいます。
この絶対参照を「いちご」の計算式にいれることで、計算式をドラッグしてコピーしても参照先がずれないようにすることができます。この計算式の場合は全体数が入っているセルに絶対参照を入れます。
「いちご」の割合を求める計算式を入力したセルを選択し、Deleteキーで計算式を削除しておきます。

計算式で絶対参照を使って参照先を固定する方法
全体から見たいちごの個数割合を計算したいので、いちごの個数÷全体数という計算式を入力します。

この計算式は、みかん以下の行にコピーしたいので、全体数を固定します。この計算式の場合、全体数が入っているセル「B7」を絶対参照にしたいので、B7の後ろにカーソルがあることを確認してキーボードのF4キーを押します。F4キーを1回押すことでこのセルが絶対参照になります。

Enterキーでセルを確定したら、いちごの割合を求める計算式が入ったセルを再度選択し、右下にある■にマウスポインタを合わせて

バナナの行までドラッグすると

割合を正しく求めることができました。

絶対参照の種類は?
絶対参照には今回使用したセルを固定(行・列ともに固定)する以外に、行だけを固定する、列だけを固定するものがあります。
F4キーを押すごとに絶対参照の方法を切り替えることができます。
